イソトレチノイン(アクネトレント)

重症にきびに対するイソトレチノイン(アクネトレント)

適応

重症ざ瘡、脂性肌、酒さなどに有効。

治療期間

1クールは3か月となります。2クール(半年)をまずは目標とします。

 

投与開始前にやること

必ず採血を行います。また女性の場合は妊娠検査が必要です(内服開始前2週間以内の妊娠検査陰性が必要)

当院では妊娠検査は行わないため、ご自身で必ず確認をお願いします。

 

効果

多くの症例で、高い治療効果が期待できる薬剤です。再発率も30%前後と低いのも特徴です。

イソトレチノインの効果

  • 皮脂抑制
    ビタミンA系の薬であり、皮脂の分泌抑制効果があります。その副作用として、高率に皮膚の乾燥がおこります。1か月経過後は皮膚の順応に従って乾燥も少しずつ和らぎますが、最初からしっかり保湿を行うことが重要です。
  • 皮膚ターンオーバーの促進
    最初の1か月間は皮めくれなどの副作用も起こりやすくなります。また新陳代謝が激しくなるため最初の数週間はニキビが増えることも多くなります。1か月が経過するころに皮脂抑制がすすみ、新規のにきびができにくくなります。
  • 抗炎症効果・抗酸化作用
    皮脂の酸化(角栓が空気に触れて黒くなる)を防ぎます。最初の1か月は角栓や黒ずみが増えることもありますが1か月経過後はほとんどの場合は改善していきます。

内服後の経過

  1. 最初の数日
    効果がでるのに1週間程度かかるため最初は変化を感じません。
  2. 30日前後(約1か月)
    皮脂が抑制され、唇や肌が乾燥します。また、ニキビや角栓が増えたりする時期でもあります。乾燥がひどくなると悪くなっているように感じますが、薬の効果が出始めている証拠でもあります。しっかり保湿しましょう。
  3. 30日目から60日目(1〜2か月目)
    新しいターンオーバーに皮膚が順応しだすため、効果も出始め、副作用も少なくなってきます。この期間のにきびの出来具合で薬の量を増量する場合があります。
  4. 60日目以降(2か月目以降)
    安定期に入ります。新しいニキビができないというのを目指します。
  5. 180日目(半年後)
    治療効果を確認し、内服は一旦終了となります。内服終了後3か月程度経過をみてニキビができにくくなれば治療終了ですが、2割程度の方が再発する場合があります。その場合、2クール目、3クール目開始は、内服終了後2か月以上あけてからの再開とします。

イソトレチノイン内服中の美容診療

皮膚が乾燥し、弱くなっている状況であるため、レーザー治療、脱毛、ピーリングなど侵襲を伴う施術は注意しながら行います。

保険のにきび治療との併用について

ダラシン、アクアチム、ゼビアックスなどと併用可能です。またディフェリンやベピオなどは乾燥しなければ併用可能です。

絶対禁忌・副作用

  1. 催奇形性があり、妊娠中に内服は絶対に禁止です。胎児に影響を及ぼす可能性があります。
    以下を必ず守ること。
    ①女性の場合、服用開始1か月前は必ず避妊をすること。
    ②服用中、及び服用後3〜6か月は必ず避妊をすること。
    ③妊娠中、授乳中の内服はできません。
    ④男性の場合、服用中、及び服用後1か月間は必ず避妊をすること。
  2. 骨端線の閉鎖が起こり得るため、成長期の方には処方できません(15歳以下の方には投与できません)。
    また15歳以上18歳以下で、身長が伸びている方には処方できません。
  3. 唇、鼻、皮膚の乾燥や皮むけは、ほぼ全ての方に出るといえます。
    保湿、目薬、リップクリームをしっかり用いましょう。
    また鼻血、目の渇き、関節や筋肉の痛み、胃腸障害、頭痛、倦怠感などが出る場合があります。
  4. 治療前、1か月後、3か月後、6か月後に必ず採血を行います。肝機能障害や脂質異常が出る場合があります。
  5. 約3割の方に一過性のコレステロールや中性脂肪の上昇を認めます。少しの上昇であれば継続内服可能です。
  6. 以下の方には処方できません。
    ・クローン病、潰瘍性大腸炎(症状悪化のリスクがあるため)
    ・ミノマイシンやビブラマイシン内服中(テトラサイクリン系)の方(症状が強く出る場合があるため)
    ・大豆、ピーナッツアレルギーの方(薬剤に成分が含まれています)
    ・肝機能障害をお持ちの方
    ・ステロイド内服中の方
    ・ビタミンAを含むビタミン剤内服中の方(効果が重複し副作用が強く出ます)
    ・高コレステロール血症の方
  7. その他に、めまい、頭痛、吐き気、骨粗しょう症(ピル内服中や骨折をしているときは注意が必要)などがあります。
    きわめて稀ですが、薬剤アレルギー、アナフィラキシーショック、視覚・聴覚障害などの報告もあります。また服用中、その後1か月は献血ができません。

保険治療でもなかなか改善がなく、お困りの方は一度カウンセリングさせていただきます。ご希望の方はご相談ください。適応に関しては慎重に判断させていただきます。