めまい

頭痛と同様に、めまいは患者様がよく訴える症状の一つですが、原因はそれぞれ異なります。「景色がぐるぐる回る」、「体がふらつく」、「頭がふらふらし、意識を失いそうになる」など、症状も様々です。疲労やストレスが原因であれば時間の経過とともに収まることがほとんどですが、めまいが長引く場合は「たかがめまい」と軽視せずに、検査・治療も含め受診をすることをおすすめします。

下記に代表的なめまいの疾患を説明します。

めまいをおこす病気

良性発作性頭位めまい症

耳石障害として広く知られています。めまい症例全体の50%を占めるといわれます。耳の奥にある内耳といわれる袋にある小さな石(耳石)が三半規管の中に落ち込むことが原因で起こります。頭を動かすたびに耳石が動き、その刺激でめまいがおこります。ゆえに、起床時や就寝時に頭を動かした際に誘発されます。

メニエール病

めまい疾患の中でも最も有名な病気です。頻度はめまい患者様の10%です。

特徴は、回転性のめまいが数分から数時間続き、難聴(耳鳴りと耳閉感)が同時に起こり、この発作を繰り返すというものです。めまい発作は数年間でおさまることが多いですが、難聴は改善しない場合も多く、治りにくい病気です。ストレスと関連が深いのも特徴です。

その他

前庭神経炎、筋緊張性頭痛、椎間板ヘルニア、薬剤性めまい、起立性低血圧や降圧薬の影響などがあります。

また、中には脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血、脳腫瘍など、脳が原因となる重篤なめまいが隠れている場合もあります。当院でのCT検査で、このような緊急性がありそうな病気を疑った場合は、専門の脳神経外科へご紹介いたします。

治療の流れ

STEP

良性発作性頭位めまい症

対症療法としては、不安を和らげる抗ヒスタミン薬や吐き気止め、炭酸水素ナトリウムをはじめとした抗めまい薬を用います。漢方薬も効果的です。

他にも頭や体を動かすことで耳石を戻す治療法である「耳石置換法」を行います。ただし、めまい全般の治療に有効なわけではなく、吐き気のある場合や、頚椎や腰部に疾患がある場合には行いません。改善が乏しい場合は、専門の耳鼻科クリニックをご紹介いたします。

STEP

メニエール病

食事療法から内服治療、手術まで様々ですが、まずはイソバイド(にがい水薬)や炭酸水素ナトリウムなどをはじめとした抗めまい薬、吐き気止め、自律神経調整薬、漢方薬などを複合的に用いて治療を行います。また利尿剤やステロイド薬も有効な治療となります。

改善を認めない場合は、外科的治療も検討されうるため、適切な耳鼻科へ紹介させていただきます